産後の尿もれ、いつまで様子見でいい?原因と受診の目安、今日からできるケア
執筆:Aya(seReno オーナー)

先に要点をお伝えすると、産後の尿もれ(尿漏れ)は多くの場合、数ヶ月かけて少しずつ落ち着いていきます。ただ、様子見しているだけでは変わらない方が一定数いるのも事実です。「そのうち治る」と思っているうちに半年、1年と経ってしまうのは、実はよくあることなんです。なぜ起こるのか、いつまで様子見していいのか、様子見の先にある選択肢まで、このページに一通りまとめました。
東京・白金台でフェムケア専門サロンを営む私のところにも、産後の尿もれのご相談は本当に多く寄せられます。ただ、産後すぐに相談される方はあまりいません。育児で忙しくて気づく余裕がなかったり、気づいていてもケアする時間が取れなかったりして、実際にご相談いただくのは産後1年以上経ってからという方がほとんど。なかには、出産から3年、4年経ってから「実はずっと気になっていて」といらっしゃる方もいます。だからこそ、「いつまで様子見していいのか」を正直にお伝えしたいと思っています。様子見をやめるタイミングを知ることは、決してあなたを責める話ではありません。
この記事でわかること
- 産後の尿もれって私だけ?(いいえ。多くの方が経験する、とても身近なことです)
- いつまで様子見していい?(3ヶ月・1年、それぞれの目安をお話しします)
- 経腟分娩(普通分娩)と帝王切開で違うの?(どちらでも起こります。ただ差はわずかです)
- これは病院に行くべき?(受診の目安を整理しました)
- 今日からどうすればいい?(ケアの選択肢を包み隠さず比較します)
“尿もれ・膣のゆるみそのものの原因や、年代を問わず起こる仕組みについては、尿もれ・膣のゆるみは、あきらめなくて大丈夫で詳しくお話ししています。この記事は、産後という時期にしぼってお話しします。”
産後の尿もれは、なぜ起こるの?
妊娠中、お腹の赤ちゃんの重みは、ずっと骨盤の底で支えられています。そして出産のとき、この「骨盤底筋(こつばんていきん)」という筋肉は大きく引き伸ばされます。産後に尿もれが起こりやすいのは、この骨盤底筋がゆるみ、膀胱や尿道をしっかり支えきれなくなるからです。加えて、妊娠・出産のあいだは女性ホルモンも大きく変化するので、そのことも尿もれに関わっていると言われています。同じホルモン変化が、産後の黒ずみなど、体の他の変化に関わっていることもあります。
ときどき「腹直筋離開(ふくちょくきんりかい)が尿もれの原因では」というお話も耳にします。腹直筋離開というのは、妊娠中に大きくなったお腹に押されて伸びた、お腹の真ん中の筋肉が、産後になっても左右に離れたまま戻りきっていない状態のこと。お腹に力を入れたときに、おへその上下あたりが縦にぽっこり盛り上がる、という形で気づく方が多いです。実際のところ、この2つのあいだにはっきりした関連があるとは、まだ証明されていません。研究によって見解が分かれているのが実情で、今のところは「関係があるかもしれないが、断定はできない」というのが正しい理解です。
産後の尿もれで、実際に多いお悩みは「尿もれ」そのものと、お風呂上がりに膣からお湯がこぼれる「湯もれ」です。「病院に行くほどじゃないと思っていた」「恥ずかしくて誰にも言えなかった」というお声もよく聞きますし、なかにはパートナーとの大切な時間で、ふと気になる瞬間があったという声もあります。これは決して珍しいことではなく、骨盤底筋がゆるんでいれば自然に起こりうることなんです。もし今、一人で抱えているなら、カウンセリングだけの相談から始めるという選択肢もあります。
産後の尿もれ、「いつまで様子見していい?」の目安
なぜ「産後3ヶ月・1年」なのか、その根拠からお話しします。
産後の尿もれの多くは、時間とともに落ち着いていきます。ただ、3万5千人分のデータをまとめた大規模な研究では、産後3ヶ月の時点でも、1年経ってからも、2〜3割ほどの方に何らかの尿もれの症状が残っていたと報告されています。むしろ1年経った時点のほうが数字が高いという報告もあり、「時間が経てば自然に消える」と言い切れるものではなく、様子見を続けているうちに、半年、1年と経ってしまう方が少なくないということです。
さらに踏み込んでお伝えすると、ある調査では、尿もれを感じた方のうち、実際に医療機関へ相談した方は4人に1人ほどしかいませんでした。相談しなかった方の半数以上は「そのうち治ると思った」と答えています。気持ちはとてもよく分かりますが、先ほどの調査が示すとおり、3ヶ月の時点でも1年経った時点でも、一定数の方に症状が残っています。「様子見していれば、いつか変わる」とは言い切れないのが実際のところなんです。
ですから、目安としては次のように考えていただくといいと思います。産後3ヶ月くらいまでは、様子を見ながら次にお話しするケアを始めていただいて大丈夫です。3ヶ月を過ぎても続くようなら、そろそろ骨盤底筋のケアを本腰を入れて始めるタイミング。そして1年経っても変わらない、あるいは悪化しているようなら、様子見をやめて誰かに相談していただきたいと思います。
経腟分娩でも帝王切開でも、尿もれは起こります
分娩方法による差
「帝王切開なら尿もれは防げるのでは」と聞かれることがありますが、正直にお伝えすると、そうとは言い切れません。たしかに経腟分娩(けいちつぶんべん。帝王切開ではない、いわゆる普通分娩のこと。吸引・鉗子分娩による出産もここに含まれます)のほうが骨盤底筋への負担は大きく、尿もれのリスクはやや高いとされています。ただ、その差は思われているほど大きなものではなく、帝王切開を選んだからといって尿もれを防げるとは限らないというのが、研究から分かっていることです。分娩の方法を尿もれ対策のために選ぶものではない、とお伝えしておきたいと思います。
2人目以降で増えることも
また、2人目以降の出産で「前より尿もれがひどくなった気がする」というご相談も少なくありません。骨盤底筋への負担は出産のたびに積み重なっていくものなので、これも自然なことです。ご自身を責める必要はまったくありません。気軽な範囲であれば、サロンでの立ち話程度の相談から始める方もいらっしゃいます。ただし、1年以上経っても変わらない、あるいは悪化が続いているようなら、このあとお伝えする受診の目安を先に確認してください。
産後の尿もれで、こんなときは様子見せず受診を
産後の尿もれの多くはケアで向き合えるものですが、なかには早めに医療機関へ相談していただきたいケースもあります。
当てはまる場合は、我慢せず、産婦人科や泌尿器科にご相談ください。当店でお手伝いできるのは、あくまで体を整えるお手伝いまでです。治療が必要かどうかを見極めるのは、医療の役目だとわきまえています。
当店にご相談くださる方の中に、上記に当てはまるケースはまだいらっしゃいません。ただサロンとしての考え方をお伝えすると、しばらく通っていただいても症状がまったく変わらない場合や、咳を一回しただけでも毎回漏れてしまうような量の場合は、ケアを続けるより先に、一度病院で診てもらうことをおすすめしています。
今日からできるケア。産後の骨盤底筋トレ
様子見の落とし穴を避けるために、今日から始めていただきたいのが骨盤底筋トレ、いわゆるケーゲル体操です。正直にお伝えすると、すでに尿もれが出ている方への効果は、研究の数がまだ少なく、はっきり言い切れない部分があります。それでも、体に負担をかけずに今日から始められる、数少ない選択肢のひとつではあります。授乳や抱っこで忙しい毎日でも、道具はいらず、座ったままできます。
- 1椅子に座るか、仰向けで両膝を軽く立てます
- 2おしっこを途中で止めるイメージで、膣と肛門をキュッと締めます
- 3そのまま5秒キープします(慣れたら10秒へ)
- 4ゆっくり、じんわりゆるめます
- 5これを8回から10回で1セット。1日3回を目安にします
授乳中は特に、まとまった時間を取るのが難しいと思います。授乳しながら、抱っこしながらで大丈夫です。「今日は1回だけ」でいいので、まずは生活の中に混ぜてしまうことをおすすめします。妊娠中から産後にかけての骨盤底筋トレは、体に負担をかけない安全なケアだということも、質の高い研究で確かめられています。骨盤底筋の場所のつかみ方や、正しく締める感覚のコツについては、膣トレは効果ない?続けても変わらないと感じる本当の理由でもくわしくお話ししています。
育児の合間に、一人で「これで合っているのかな」と手探りで続けるのは、想像以上に心が折れやすいものです。誰かに一度、感覚が合っているかを確認してもらえるだけで、続けるハードルはぐっと下がります。
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セルフケアで物足りない・続かないと感じたら
産後で寝不足の毎日だと、体の感覚に集中するのもひと苦労だと思います。うまくいっているか分からないまま続けるのがしんどくなったときのために、他の選択肢も並べておきます。
| セルフケア | エステサロン | 医療(産婦人科・泌尿器科) | |
|---|---|---|---|
| 主な目的 | 自分で骨盤底筋を鍛える | 締める感覚をつかむ・習慣づくりのサポート | 尿失禁・臓器脱の診断と治療 |
| やること | 骨盤底筋トレ(ケーゲル体操)・生活の見直し | 専用機器で骨盤底筋にアプローチ | 検査、お薬、手術など |
| ペースの目安 | 毎日の習慣 | 2週間に1回ほどの継続 | 医師の診断・治療計画による |
| 向いている人 | まず自分で始めたい | 感覚がつかめない・一人だと続かない | 症状が重い・改善しない |
フェムケア専門サロン運営者の視点で整理しています
骨盤底筋トレそのものは、日々の暮らしの中であなたが続けていくものです。育児で分からないことがあれば専門家に聞くのと同じように、体のケアも時々は誰かに様子を見てもらう、というくらいの距離感で考えていただければと思います。
当店で使うピトンは、温感ケアや冷却ケアなど複数の機能を組み合わせた、膣の中に器具を入れない体外式の美容機器で、その中にEMSという微弱な電気で筋肉に働きかける機能があります(医療機器ではありません。症状を治療するものではなく、ケアです)。お腹やお尻にEMSをかけられるサロンはありますが、膣まわりまでアプローチできるのはこの機械ならでは。だからこそ、お腹まわりのケアよりも、骨盤底筋そのものを意識しやすいと感じてくださる方が多いです。産後は体の感覚そのものが妊娠前と変わっていることも多く、まず今のお身体でどのくらい筋肉に働きかけられているかを、施術者と一緒に確認するところから始めます。一人では気づきにくい今の状態を、客観的に知れることが、この体験の値打ちだと思っています。そのうえで、ご自宅でもその筋肉を意識してトレーニングを続けていただく、というのが当店の産後ケアの考え方です。
当店でご案内している目安は、産後の生理が落ち着いて安定してくることです。授乳中の方でも、生理が来ていれば、当店のピトンでの施術を受けていただけます。まだ生理が戻っていないという方も、それだけで対象外というわけではありませんので、気になる方はまずカウンセリングで今のお身体の状態をお伺いしながらご案内します。
はじめての方へ(流れ)
「行ってみたいけれど、何をされるのか不安」という方のために、流れを簡単にお伝えしますね。
- 1まずはカウンセリング(30分〜1時間ほど)。いきなり施術ではなく、相談だけでも大丈夫です
- 2施術は完全個室で、今のお身体の状態を伺いながら進めます
- 3ご自宅でのケアのアドバイスもあわせてお伝えします
もっと詳しい流れは、初めての方へ(施術の流れ)でお話ししています。
料金・初回体験の目安
はじめての方には、まず「フェムケア体験」がおすすめです。料金の目安はこちらです。
| メニュー | 時間 | 料金(税込) |
|---|---|---|
| フェムケア体験(初めての方向け) | 約60分 | ¥15,000 |
| フェムケア 6回コース | 約90分 × 6回 | ¥132,000(6回目以降 ¥18,000/回) |
フェムケア専門サロン運営者の視点で整理しています
すべてのメニューにカウンセリングが含まれます。体験でも、カウンセリング → 今のお身体の状態を確かめながらの施術 → ご自宅でのケアのアドバイスまで、ひととおり体感いただけます。「まずは体験だけ」「話を聞くだけ」でも大丈夫です。体験は1回完結の単発メニューで、コース料金への充当はありません。くわしいメニューは料金・メニュー一覧でご覧いただけます。
「尿もれの記事を見ました」とLINEで送るだけでOK。申し込まなくても大丈夫です
よくある質問
産後の尿もれは、いつまで様子見していいですか?
産後3ヶ月くらいまでは様子を見ながらケアを始めていただいて大丈夫です。3ヶ月を過ぎても続くようならケアを本腰入れて、1年経っても変わらない、または悪化しているようなら、様子見をやめてご相談いただきたいタイミングです。
経腟分娩でも帝王切開でも、尿もれは起こりますか?
はい、どちらでも起こります。経腟分娩のほうがリスクはやや高いとされますが、その差は大きなものではなく、帝王切開を選んだから防げるというものではありません。
2人目の出産で、前より尿もれがひどくなった気がします。よくあることですか?
よくあることです。骨盤底筋への負担は出産のたびに積み重なるので、自然なことだと考えていただいて大丈夫です。ご自身を責める必要はありません。ただし、1年以上経っても変わらない、あるいは悪化が続いているようなら、様子見をやめて一度ご相談ください。
腹直筋離開があると、尿もれしやすいと聞きました。本当ですか?
腹直筋離開(ふくちょくきんりかい)は、妊娠で伸びたお腹の真ん中の筋肉が、産後も左右に離れたまま戻っていない状態のことです。おへそまわりが縦にぽっこりする感覚で気づく方が多いのですが、これと尿もれのあいだにはっきりした関連はまだ証明されていません。研究によっても見解が分かれているところなので、今の段階では断定できないというのが本当のところです。
お風呂上がりの「湯もれ」も、産後の尿もれと同じ原因ですか?
はい、同じく骨盤底筋のゆるみが関わっています。お湯だから、と気にされる方もいますが、尿もれと同じケアで向き合っていただけます。
授乳中でもサロンのケアは受けられますか?
当店では、産後の生理が安定してくることを一つの目安にご案内しています。授乳中の方でも、生理が来ていれば、当店のピトンでの施術を受けていただけます。まだ生理が戻っていない方も対象外というわけではないので、気になる方はまずカウンセリングでご相談ください。
施術は痛くないですか?
産後で身体が敏感になっている時期かと思いますが、力任せの施術ではないのでご安心ください。今の状態に合わせて強さを都度調整しますので、不安な方はまずお話だけでも聞きにいらしてください。
産後の尿もれは、何科に相談すればいいですか?
産婦人科、または泌尿器科で大丈夫です。「ウロギネ外来」という骨盤底の専門外来がある病院なら、より詳しく診てもらえます。どちらに行けばいいか迷う場合は、まず産婦人科にご相談ください。
様子見をやめても、責められることは何もありません
産後の尿もれは、頑張りが足りないからでも、ケアを怠ったからでもありません。骨盤底筋という筋肉に、自然に起きていることです。ただ、様子見だけで変わらない方が一定数いるのも、事実です。3ヶ月、1年。ひとつの目安として、様子見をやめてもいいタイミングを、どうかご自分に許してあげてください。
産後の体と向き合うペースは、人それぞれで構いません。今日はここまで読んでくださった、それだけで前に進んでいます。余力が出てきたら、少しずつ試してみてください。
緊張するのは当然です。あとは全部ご案内します
参考文献・出典を見る(6件)
- 産後尿失禁の有病率(時系列メタ分析・24研究3.5万人・産後6週24.0%→3ヶ月21.0%→12ヶ月32.0%) https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC8295150/
- 分娩様式と尿失禁リスク(経腟分娩の調整オッズ比1.85・絶対リスク差は8%程度) https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26874810/ / https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC8070303/
- 産後尿失禁の受診行動の実態(相談率25.7%・未相談者の54.1%が「時間で治ると思った」) https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC8295159/
- 産前産後の骨盤底筋トレは尿失禁の予防に有効・有害事象ほぼなし(Cochrane CD007471) https://www.cochranelibrary.com/cdsr/doi/10.1002/14651858.CD007471.pub4/full
- 腹直筋離開と骨盤底機能の関連(研究間で結論が一致せず) https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33691943/ / https://www.ejog.org/article/S0301-2115(24)00433-0/abstract
- 骨盤底筋の位置・ケーゲル体操の手順(一般的セルフケア) https://www.uenoclinic.com/cosmetic_dermatology/vagina-looseness/
Voice
お客様の声
デリケートゾーンの悩みは恥ずかしいと思っていましたが、スタッフさんが自然に話を聞いてくださり安心できました。
もっと早く相談すればよかったと思いました。
押し売りがなく、安心して相談できました。
女性同士だからこそ話しやすく、緊張せずに過ごせました。
※ 実際にご来店いただいたお客様の声(一部抜粋)。個人の感想であり、効果を保証するものではありません。
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